人工膝関節にしますと、膝を深く曲げられなかったり、微妙な膝の位置の感度がなくなるため、激しいスポーツは避けた方が良いです。
では、全くスポーツができないかといいますと、答えは「NO」です。
制約はありますが、スポーツは可能です。
人工膝関節ではゆるみや、ポリエチレン部品の摩耗、インプラントの外れ、人工膝関節周囲の骨折のリスクがあるため、スポーツするときには注意が必要です。
スポーツをするタイミングは、術後に十分な痛みが改善し、膝の稼働域と周辺の筋力が回復してからになります。
人工膝関節置換術をするとどうしても、スポーツすることに関しては、不安が伴います。
しかし、術後のスポーツには利点があります。
術後の膝関節への適度な刺激は、骨細胞の働きを活発にし、カルシウムの沈着が促さられることにより骨の質が改善します。
また、インプラントの固定性を増加させ、筋力アップにもつながります。
何よりも心が前向きになりますし、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の予防にもなります。
したがいまして、人工膝関節置換術をしたからといって、全てのスポーツを諦めることはなく、医師や理学療法士と相談し、積極的にスポーツへの参加を検討しましょう。
人工膝関節置換術をした方のうち、術前からスポーツをしていた方の約62%の方が、スポーツ活動に復帰したという統計があります。
では、どんなスポーツをすればよいのでしょうか?
膝関節に強く当たったり、ジャンプ動作を伴うスポーツは避けましょう。
また、術前に経験のあるスポーツを選択した方が無難です。
ご参考までに、主なスポーツのリスクの有無をまとめました。
◆リスクの少ないスポーツ
ボーリング、サイクリング、ダンス、ゴルフ、水泳、ウォーキング、カヌー、ハイキング
◆経験があればリスクが少ない
アイススケート、スキー、ダブルステニス、乗馬
◆リスクがある
バスケットボール、サッカー、ジョギング、バレーボール
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