膝の痛みの原因は様々です。
ここでは加齢による膝の痛みについて説明します。
加齢による膝の痛みは専門的には「退行性膝関節疾患」と呼びます。
難しい用語ですね。これは加齢、遺伝、生活習慣と3つの要素が複雑に絡み合って、発生すると考えられています。
やはり一番、大きな影響を与えるのは加齢によるものです。
ここでは膝関節の局所的な老化の影響ではなく、全身に及ぶ影響について説明します。
人は年齢を重ねると運動機器全般に対して、細胞や組織の性質が変化します。これを「変性」といいます。
一般的に65歳以上になると筋力の低下がみられます。これを「サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)」といいます。
テレビで聞いたことがある人もいるかと思います。
筋力の低下は足腰に顕著に表れます。太ももやふくらはぎなどの筋肉が加齢に伴い、筋力が弱く、委縮していきます。
同時に筋肉と神経の連携もうまくいかなくなり、関節の動きがスムーズにいかなくなっていきます。
この他にも、骨粗しょう症があります。
骨粗しょう症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。骨がスカスカになると、わずかな衝撃でも骨折をしやすくなります。
骨がもろくなるということは、当然、膝関節を構成する骨にも影響が出てしまいます。
また、骨粗しょう症は主に女性に多く見られます。これは女性ホルモンが影響しています。女性ホルモンというのは、骨、軟骨、関節などを守り、関節の炎症を抑える役割も持つことが最近わかってきました。したがいまして、閉経時期になりますと女性ホルモンのバランスの関係から、骨量が減り、骨粗しょう症になるリスクが高まります。
加齢に伴う膝のトラブルの背景には順番として、まずこのような全身的な老化現象がまず現れ、そこにさらに膝関節の局所的な老化が加わり、膝が痛むということになります。
スポンサーリンク