中国が発症の武術で、最近では武術としてより健康法としての方が有名な太極拳。
心身の健康のために行っている方も多いと思います。
そんな太極拳ですが、変形性膝関節症の痛みを和らげる効果が期待できるというのです。
アメリカはタフツ大学医学部などの研究グループによる調査です。
太極拳の効果は変形性膝関節症の標準的な理学療法の効果と遜色なかったといます。
(調査結果は米医学誌「Annals of Internal Medicine」(2016;165:77-86)に発表されています。)
研究グループの調査方法としては以下の通りです。
まず、アメリカに住む変形性膝関節症がある男女204人(平均60歳、7割が女性)を対象に、アメリカの変形性膝関節症の治療指針などで推奨されている標準的な治療(理学療法)を週2回のペースで6週間受けます。
その後、2グループに分けて両者の比較をしました。
・第1のグループ
自宅で標準的な治療(理学療法)を12週間続けるグループ
・第2のグル-プ
太極拳を週2回のペースで続けるグループ
12週間目の痛みの程度を比べの結果、12週目の痛みの程度は両グループで改善。
太極拳にも標準的な治療法と遜色ない効果が期待できることが分かりました。
さらに、標準的な治療を受けたグループよりも太極拳を続けたグループの方がうつ病や生活の質がより大きく改善していたといいます。
この結果を受けて、同研究グループでは「心身を鍛える太極拳は理学療法とは大きく異なるが、それぞれの変形性膝関節症に対する治療効果はほぼ同等だった」と説明しています。
その上で、「太極拳も変形性膝関節症の効果的な治療選択肢として考慮すべき」との見方を示しています。
理学療法の基本は膝回りの筋肉の強化と、柔軟性の確保。また、体重の減量です。
今回の研究結果を見てみると、太極拳に同じ効果があると言えます。
また、呼吸法によるものと思いますが、メンタルにも良い効果があるということですので、変形性膝関節症の痛みに悩んでいる方は試してみてはいかがでしょうか。
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