変形性膝関節症は膝の軟骨の摩耗に伴う病気です。
一方、特発性膝骨壊死は軟骨ではなく、骨自体が変化する病気です。
変形性膝関節症は患者さんの数は元々多いですが、最近、特発性膝骨壊死の患者さんが増えてきています。
発症する原因は良く分かっていない病気です。膝関節内の骨の中の血管が突然、血が通わなくなり骨の細胞が死んでしまうこと(壊死)ことによる病気です。
例えていうと、脳梗塞のように膝関節内の血管が詰まってしまうために起こります。実は似たような症状は全身のどこでも起こり得ます。膝関節内で発生すると「特発性膝骨壊死」という病名となります。
壊死が狭い範囲に限定されているうちは、自然に血管の血流が戻ることがあるため、それほど心配する必要はありません。
しかし、自分の体重などにより膝に負荷がかかると、壊死の範囲が広がってくるが多いので注意が必要です。
壊死の範囲が広がってしまうと骨全体の強度が落ちます。壊死した部分が圧力を受けて潰れてしまうことがあるためです。
骨が潰れてしまうことの影響は、軟骨にも表れます。まずは軟骨の土台が無くなってしまうため、軟骨が不安定になります。さらに骨からの栄養補給を受けられなくなるため、一気に軟骨の機能が失われてしまいます。
変形性膝関節症は何十年という長い経過期間がある病気ですが、特発性膝骨壊死は一旦発症すると急激に症状が悪化する特徴があります。
◆初期の症状
壊死の範囲が狭いうちは骨の中の血管の圧力が高まることに伴う痛みを感じます。特に夜間に痛むという特徴があり、時には激痛を伴うことがあります。
◆症状が進行すると
壊死した部分の骨が潰れるようになると、今度はその壊れた骨や軟骨のかけらが膝関節内に漂い、強い炎症を起こします。この炎症のより腫れ、強い痛みを感じるようになります。
この病気も早い段階で診察を受け、治療をする必要があります。
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[…] 他には、骨髄の病変を特徴とする「特発性膝骨壊死」、神経の障害が原因となる「シャルコー関節」があります。 後者の二つの病変は比較的患者数が少ない病気になります。 […]