膝の痛みの最も多いとされる原因は変形性膝関節症です。
変形性膝関節症は膝の軟骨の変性が元となって起こる症状です。
症状が進行すると最終的には、人工膝関節置換術で、自分の膝関節を人工関節に置き換えることを検討しなければなりません。
人工関節でなく、軟骨が再生すればいいなと思いませんか?
そんな軟骨の再生医療の現在の状況について、ご説明します。
まず、説明しなければならないのは「軟骨は自然には再生しない」ということです。
すり傷や切り傷をしたときを考えてください。絆創膏などを貼ったりしますが、自然に肌がくっつき治っていきます。
一般的な身体組織は、損傷すると修復されます。それは、血管が損傷する組織を治す物資を送り込むためです。
しかし、軟骨には血管がありませんので、修復に必要な材料が運ばれないため、自然には再生できないのです。
しかし、軟骨には増殖する能力があります。
この増殖する能力に着目したのが、軟骨の再生医療です。
近年では多くの大学、研究機関で軟骨の再生、培養する研究が行われています。
一例としては以下の通りです
◆軟骨の再生
あの「IPS細胞」や身体の他の部位の細胞から軟骨の元となる細胞を作製をします。
◆軟骨の培養
一般的には、動植物の軟骨組織を人工的に増殖することをさしますが、膝軟骨の再生では、自分の軟骨を取り出して培養し、再び関節内へ埋め込む「自家培養軟骨」の研究が進めれています。
自家軟骨培養移植術については、一部実用化されており、平成25年4月からは条件が合えば健康保険が適用されてます。
その条件とは、・膝関節における外傷性軟骨損傷または離断性骨軟骨炎であること、・軟骨欠傷が4平方Cmであること、・その他に治療手段がないことです。
今後、人工膝関節置換術に代わり軟骨再生手術となる日もそう遠くないかもしれません。
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