少し信じられない事が起こりました。
膝の痛みを訴える女性患者の膝をレントゲンで検査したところ、大量の鍼が発見されたとのことです。
アメリカはボストン大学病院の出来事です。
激しい膝の痛みで運び込まれた女性の膝をレントゲン検査した結果、鍼治療で使われたと思われる小さい鍼が大量に見つかりました。
体内に残った鍼は異物として認識されるため、感染症や腫瘍を引き起こすおそれがあるということです。怖いですね。
米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に報告された論文によると、患者は65歳の韓国人女性です。
かつて、関節の軟骨がすり減る「変形性関節症」と診断されて以来、抗炎症剤や鎮痛剤を服用していたが、一向に改善がなかったため、痛みみを和らげるために、たびたび鍼医療を受けるようになりました。
しかし、最近、突然我慢できない激痛を感じたため、ボストン大学病院を訪れて、レントゲン検査を受けたことにより、発見されました。
レントゲン写真を確認したところ、膝の周りには糸のように細い金の鍼が無数に埋め込まれていました。
この鍼は取り除こうとしても鍼が動いて、動脈を傷つけるおそれがあるため、治療が困難とのことです。
日本や中国ではお馴染みの鍼医療ですが、西洋医学では昔は、科学的根拠の無い行為とみなされています他。
しかし、1970年以降、米国鍼医師学会の設立や認定医師の誕生で、代替医療として浸透するようになっています。
治療効果については、米国の国立衛生研究所(NIH)など様々な研究機関や大学が調べています。
また、国連の世界保健機関(WHO)が治療効果の期待できる病気として、さまざまな例をあげています。
五十肩や腰痛といった関節や骨格にかかわる病気はもちろん、糖尿病や通風胃腸の病気、更年期障害や、月経不順といった女性に特有の病気も入っています。
では、なぜ、鍼が体内に残されたのでしょうか。単純に抜き忘れたものと思いますが、それにしても多すぎます。
鍼治療の一つとして、皮内鍼(ひないしん)という方法があります。
皮内鍼は、ごく細く短い鍼を、皮膚組織内に刺入し、絆創膏などで固定して、1日から数日留置する治療法です。
故意かまたは知識不足でそのまま、放置してしまったのと思われます。
膝の痛みの治療で鍼療法は有効な方法の一つではありますが、くれぐれも鍼の抜き忘れには注意しましょう。
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