関節鏡視下手術は膝の手術の中では最も身体への負担が小さい手術です。
関節鏡とは、胃カメラと同じく細い管の先端にカメラ、ライトなどがついている機器です。
胃カメラとの違いは先端が硬い棒状になっていることです。胃カメラは食道、胃等を通るため、クネクネと曲がりやすくなっています。
これを関節内に挿入して観察をします。
関節鏡の映像はモニターで拡大表示されますので、それを観察しながら器具を操作して手術をします。
関節鏡視下手術の対象になる方は症状が比較的軽い方です。
半月版や関節軟骨のカケラにより滑膜の炎症が生じている場合、そのカケラを取り除いたり、剥がれかけた関節軟骨を削ったりして、患部のクリーニングをします。
逆に重度の変形性膝関節症の方にはこの手術は向きません。
関節鏡視下手術は膝の変形は治すことができないためです。重度の変形性膝関節症で、膝の変形が進んでしまった方には関節鏡視下手術では対応できないのです。
しかし、持病がある、または患者さんの健康状態がその他の手術に耐えられない場合、関節鏡視下手術により関節軟骨をクリーニングすることで痛みが軽減できることがあります。
効果が出ない場合もありますので、十分に医師と相談しましょう。
また、関節鏡視下手術に特に年齢制限は特にありません。70歳以下が推奨されていますが、患者さん自身の健康状態によりますので、これも医師と相談しましょう。
メリットはなんといっても患者さんの身体への負担が軽いことです。
関節鏡視下手術は関節鏡、手術器具を膝に小さい穴をあけ、挿入して施術します。
膝の周辺に小さな穴を2~3か所空けます。穴をあける時も麻酔をかけますので、痛みを感じません。また、傷の大きさは直径1cmくらいですみます。
傷も小さいため、感染症のリスクも少ないので、心臓病、糖尿病などの持病がある方でも、注意して手術をすることで対応が可能です。
また、術後の痛みも他の手術に比較して軽く、入院期間も短くすみます。リハビリテーションも短期間での対応が可能です。
「膝の関節鏡視下手術の手順と術後について」はこちらをご覧ください。
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